私立恵比寿中学が語る、デビュー10周年「エビ中」ならではの多様性の広がり

「子供の気持ちもわかるけど、大人の気持ちもわかるんだよな、みたいな」(安本)

―安本さんは自分の表現の変化という点で印象深い曲はありますか?

安本 難しいな。私は年代でも変わるんですけど、その日によっても変わるタイプなので……でも、「大人はわかってくれない」(2012年発表のシングル)は当時メンバーみんな正に反抗期だったので(笑)、とにかく「なんでわかってくれないの!?」っていう気持ちで歌っていたんですけど、いま私たちは大人の立ち位置になって、こうやって3人の新メンバーが加入して、3人はナウ反抗期で子供としてもがいているところなので、そんな私たちが一緒に歌うことでこれまでとはちょっと違う目線で曲を感じるようになりました。



―ああ、なるほど。

安本 大人がなんでそういうことを言うのかという気持ちが私たちにもわかってきたからこそ複雑になってきてて。

星名&中山 (笑)。

安本 子供の気持ちもわかるけど、そう言いたくなる大人の気持ちもわかるんだよな、みたいな。

―では、風見さんはこの曲をいまどう捉えていますか?

風見 お母さんとかに対して、「なんで私がこう言ってるのに、そんなこと言ってくるの?」ってけっこうイラついちゃったりすることがあるので、そういう気持ちを込めて歌ってますね。

―いま、風見さんにとって歌詞に一番気持ちが乗っかる曲ってなんですか?

風見 え~、なんだろう……今まで歌った曲で言うと、ファンクラブイベントで(安本)彩花ちゃんのソロ曲「またあえるかな」(2013年発表の『エビ中のユニットアルバム 青年館盤』収録曲)を歌わせてもらったときに、今まで考えてなかった、「どんな子が主人公で、どんな物語なのか、どういう表現をしたらいいのか」っていうことを深く考えるようになりました。



―風見さん、すごいですね。まだ加入して1年も経たないのにもうそこまで考えていて。

安本&星名&中山 たしかに。

―メジャーデビュー10周年を迎えるグループに入るって相当なプレッシャーだったと思います。

風見 エビ中はもともとライブでの歌唱力やダンスがすごかったので、新メンバーが入ることでそれが落ちるのは嫌でした。

―そうですよね。

風見 でも、そう思っていながら自分に新メンバーとしての甘えがあることに気づいて、いつの頃からかレッスンのときからライブを意識して全力で踊って、パフォーマンスが落ちないように意識するようになりました。

―お姉さんメンバーとしては、新メンバーが入ったことで、パフォーマンス面、メンタル面でどんな変化が起こってますか?

星名 最年長の真山りかが25歳、最年少の(風見)和香が14歳で、11歳差もあるんですけど、3人の声が入ることでユニゾンが明るくなりました。今までの私立恵比寿中学はすべての楽曲に対して魂でぶつかっていくパフォーマンスが多かったんですけど、そこにフレッシュさ、アイドル要素がプラスされたので、私立恵比寿中学全体としてもフレッシュ感を取り戻した感じはすごくあるかなと思います。

―そういう変化って事前に想像できていましたか?

星名 考えてなかったよね。

安本 うん。

星名 未知過ぎてわからない部分がありましたね。新メンバーも手探りだったと思うんですけど、私たちも手探りで。でも、ヒントになったのが昨年末にあったReboot(「私立恵比寿中学 大学芸会2021 ~Reboot~」)というライブだったのかなと思います。



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