私立恵比寿中学が語る、デビュー10周年「エビ中」ならではの多様性の広がり

「いい英才教育を受けました」(星名)

―風見さんはいかがですか?

風見 私は「さよなら秘密基地」の一番最後の(小林)歌穂ちゃんのパートなんですけど、ここは本当に歌いたくて。この曲の中で一番どうやって歌おうか考えたし、レコーディングでも頑張ったところだったので、ここをもらえなくて「ああ~」って思ったけど、改めて歌穂ちゃんの表現はすごいなって感じたのでお気に入りです。

星名 自分が歌いたいと思ってるパートってだいたい自分にこないよね。

安本 うん、気合が入り過ぎちゃう(笑)。

星名 で、「あ、(自分のパートは)ここかぁ!」ってなったりする。

―曲がこれだけ変化していくと、それに伴って振付も変わっていくのかなと思うんですが。

星名 今回は何曲かだけなんですけど、「この先生に振付をお願いしたい」ってメンバーから相談してて、いくつかそれが叶いそうです。今回は曲の幅がだいぶ広いので、それぞれのジャンルが得意な先生につけていただけたらいいなと思ってます。あと、「ハッピーエンドとそれから」はTikTok世代にも刺さるようにということでTikTokで映えそうな振付になっていて、自分たちも変わってきてますけど時代も変わっているので、そういう部分で戸惑ってはいるんですけど新しい発見もあって楽しいですね。

―自分たちが希望する先生に振付をしてもらうというのはこれまでもあったんですか?

安本 「この曲、絶対あの先生がいいよね!」みたいな雑談の中からアイデアが生まれて、それを提案して実現したものがちょこちょこあるって感じです。

―以前、自分たちに判断を任せてもらえる機会が増えていると話していましたけど、今も引き続きそういう感じですか?

星名 増えてはいるよね。ベースはアイドルなのでスタッフさんが中心になって決めてくださるけど、その中でも自分たちで挑戦したいことを提案するようにはなったかなと思ってます。

安本 自分たちも大人になったことで、「エビ中への想いはスタッフの皆さんよりも強いぞ!」っていう自信があるし、だったら対等に向き合ってもらいたいなってことで自分の思いを伝えることは年々増えてると思います。今回のレコーディングでも、「こういうニュアンスで歌いたいんですけどやってみてもいいですか?」みたいな感じで提案してみたり。

―今作を聴いて改めて思ったんですけど、エビ中は今やいくつになっても歌い続けていける歌を歌っているというか、言い換えると<一生青春>みたいな、人生の一瞬だけ輝くような瞬発力のグループではなくなっているなと。

安本 たしかに,自分自身「一瞬」よりも「一生」っていう言葉がしっくりくることが何においても多いので、それをエビ中でも体現できてるんだと思います。

―この先、どんな曲でも歌っていけますよね。

安本 うん、その自信はすごくありますね。なんでもやれると思います。

―その自信はどうやって身についたんですか?

星名 エビ中は、これという形を決めることなくやってきたのが長続きしてる理由のひとつだと思うし、挑戦することに対する恐怖心がまったくないのは、小さい頃からキョンシーをやったかと思ったら(2011年発表のシングル「オーマイゴースト?~わたしが悪霊になっても~」)、急に真面目になって「スーパーヒーロー」(2015年発表のシングル)みたいな曲を歌ったりしてきたからだと思うんです、大人の方に思いっきり振り回されて、そこに自分たちも身を委ねてきた結果が今につながってる。だから、「いつでもどんとこい」の姿勢でいつまでもいられるんだと思います。





―かつては振り回されるメンバーの姿を見るのもエビ中の楽しみ方のひとつだったけど、今はそういう経験を経て身についた皆さんの度胸を楽しむとき。

星名 そうですね。いい英才教育を受けましたね(笑)。

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