岡村靖幸の名盤『家庭教師』、当時のプロモーターが背景を語る



田家:「J-POP LEGEND FORUM 再評価シリーズ第1弾」。11月16日に初めてのアナログ盤『家庭教師』が発売になる岡村靖幸さんのEPIC時代を辿る1ヶ月です。今週はパート1、4枚目のアルバム家庭教師について、当時のプロモーター、現在はソニー・ミュージックダイレクトの制作部の部長さん、福田良昭さんをゲストにお送りしました。流れているのは竹内まりやさんの「静かな伝説」です。

1990年はもうアナログ盤というのはなくなっていたんですよね。全面的にCDになってしまった。それが31年経って、初めてアナログ盤になった『家庭教師』であります。「再評価シリーズ」というシリーズをこれから始めていこうということで、第1弾にもしたのですが、恥ずかしながら実は、私は当時『家庭教師』をちゃんと聴いてなかったんですね。雑誌には担当制がありました。レコード会社もライターもいろいろ振り分けられていた。シフトができあがってまして、たとえばEPIC担当とかアーティストの担当とか、それぞれ編集者がいて、その人がライターはこの人で、カメラマンはこの人でみたいにチームで動いていて、僕のところに回ってこなかった。洋楽マニアでもなかったし、“岡村ちゃん”というふうにみんなが言っている空気がどこか気恥ずかしい年齢に差し掛かっていたというのもあって、担当じゃないんですけどやらせてください、インタビューしたいですという積極的な関わり方もしてこなかったんですね。

むしろ、ちゃんと聴くようになったのは2000年代の復活以降でしょう。去年、この番組で特集をした近藤雅信さんという、今彼の事務所を作っているプロデューサーの特集をした時にあらためて聴いて、こんなに桁違いの才能だったんだと、これは衝撃に近かったです。いつかあらためて特集したいとなっていた中で、初アナログ盤が出るということで、今だと、こういう特集になりました。これは言い訳に近いですが(笑)。自分の中でも再評価になればと思っている1ヶ月なので、かなり楽しみにしております。来週はあらためてデビューアルバムを聴き直してみようという1時間です。



<INFORMATION>


田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
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「J-POP LEGEND FORUM」
月 21:00-22:00
音楽評論家・田家秀樹が日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出す1時間。
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Rolling Stone Japan 編集部

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