松本隆と振り返る、トリビュートアルバム『風街に連れてって!』



田家:お聞きいただいているのは、トリビュートアルバム『風街に連れてって!』の5曲目「Woman “Wの悲劇”より」。歌っているのは池田エライザさん。原曲は1984年の薬師丸ひろ子さんで、作曲は呉田軽穂、ユーミンですね。レコーディングではこの曲に立ち会われたそうですね。

松本:なぜか、マネージャーがこれには来てくれって言っていて。プロモーションビデオを撮っていたので、僕の絵が欲しかっただけっていう(笑)。

田家:亀田さんは「なんであの曲だけお見えになったのかな?」って言ってました(笑)。亀田さんが感心されていたのは、松本さんが「これがいい、ここがいい」って言うのがドンピシャなんだと。

松本:僕は歌い手に口を出さないようにしようと思ってて、ワンポイントしか言わないのね。あの時に言ったのは、サビがちょっと小川みたいだったから、その川はちょっと違うから具体的に言ったほうがいいかもということで中国の長江って知ってる? って訊いて。彼女は知らないっていうから、それで終わったんだよね。でも戻ってチラッと振り返ったら、スマホで調べていて「松本さんこれですか?」って言っていて、今はそれで通じちゃうわけよ、世代が違っても。昔はGoogleもないからそれを説明するのもすごく大変だったけど、今ってもうそれだけでいいわけ。そうしたら、彼女の中でイメージがバーンって出来て、それからは曲が長江にしか聴こえなかった(笑)。

田家:それで「これだよ!」と。

松本:昔から確かに僕がワンポイントアドバイスすると、コロッと歌が変わるのね。

田家:魔法の一言ですね。

松本:今日は魔法の一言出ないんですか? って言われたりね。出ると場外ホームラン打ったりするんだけど(笑)。

田家:この曲にはわたしもあなたも出てこなくて、男か女かも分からない。眠っている人が死んでいるのか生きているのかも分からない。

松本:もしくは自分を投影しているのかもしれない。

田家:先に相手を眠らせた心中の歌かもしれない。

松本:それは考えすぎかもしれないけど、相手が死んじゃって添い寝するという韓ドラがあって。もちろん僕が曲を書いた方が先だけど(笑)。時々韓ドラ見てると、やられたなあって(笑)。

田家:ペ・ヨンジュンなら知っていると韓ドラファンの方は、改めてこの曲を聴いて、情景を想像してみてください。薬師丸ひろ子さんで「Woman “Wの悲劇”より」。

Rolling Stone Japan 編集部

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