1960年代後半のカレッジフォークを仕掛け人とともに振り返る

若者たち / ザ・ブロードサイド・フォー

田家:2014年に森山直太朗さんがカバーしておりました。

本城:これはフォークの古典ですよね。フジテレビの「若者たち」というドラマの主題歌にアマチュアだった彼らが起用されたんです。黒澤明監督の息子・黒澤久雄がリーダーだったんですけど、黒澤明監督の映画の音楽は佐藤勝さんが担当していて、この曲も佐藤さんが作られたんです。たまたま黒澤監督が息子が音楽グループやってるからよろしくって言っていて、佐藤さんもそれが頭にあったんでしょうね。

田家:お父さんから息子が音楽をやっているという話はあったんでしょうね。

本城:ドラマは1966年2月にスタートしたんですが、あまり視聴率が良くなくて3話くらいで打ち切りになりそうだったんですけど主題歌の人気がどんどん上がって曲のリクエストが殺到したんですね。ドラマも結局9月まで続いてヒットしたんです。実を言うと私はザ・ブロードサイド・フォーもステージで見ていたんですが、レコード作るつもりはなかったんです。森山良子が彼らとよく一緒に出ていて、彼女は芸能界の仕事を嫌がっていて。私は彼女と契約したかったので、ステージ終わったタイミングで彼女を口説きに行ったんです。彼女は当時高校生だったので、代理人として出てきたのが、ザ・ブロードサイド・フォーの黒澤くんだったですね。

田家:なるほど。

本城:それで話してるうちに僕らも大学4年生で解散なんだと。だったら解散記念にレコード作ろうと。森山良子さんの話そっちのけでザ・ブロードサイド・フォーのレコードを作ることになって。この「若者たち」のドラマがヒットしているということを耳にしていて、急遽レコーディングして大ヒットしたんです。

田家:大ヒットしてから次に出たのがこの曲です。1966年9月発売の2枚目シングル「星に祈りを」。

Rolling Stone Japan 編集部

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