45
「Danger」(2014年)


たしかに、「Danger」はティーンエイジャーの怒りの縮図とも言うべき曲だが、そのキャッチーさは卓越している。ギターロックを取り入れたヒップホップと、無関心な愛に対する絶望的な苛立ちが描かれる一方、後にBTS聖典に加えられるパンチの効いた鮮やかなコレオグラフィーが特徴的だ。—N.M.

44
「No More Dream」(2013年)


BTSのデビューシングル「No More Dream」のMVは、7人のスキル——驚異的な正確さを備えたコレオグラフィーとボーカルや、失望した若者たちを鼓舞する歌詞、グループとしての圧倒的なダイナミクスなど——を世界中の人々に垣間見せた最初の作品だ。だが、世間の反応はイマイチだった。アイドルと呼ぶにはあまりにヒップホップの要素が強く、BIGBANG(ビッグバン)風のギャングスタ的な態度も歓迎されなかった。たしかに、MVの彼らの外見は、高級ストリートウェアブランドの倉庫を襲撃しそうな、おしゃれ不良少年といったところだが、こうしたアンチコメントはいまとなっては逆に斬新だ。—C.A.

43
「Not Today」(2017年)


ディストーションが効いた、半ば威嚇のようなネオ・ホラーコアトラック「Not Today」は、メンバーの叫びとともに宣戦布告へと姿を変える。弱者たちに戦闘準備を呼びかける歌詞(“銃! 照準! 発射!”)とダルマエナガをモチーフにしたメッセージ(“Hey 構わずやれ hands up”)が、管楽器のサウンドとアクション映画のファンファーレとともに響きわたる。韓国中部の忠清道の採掘場がロケ地のひとつになった、忍者を想起させる圧巻のコレオグラフィーをフィーチャーしたMVが有名。—C.A.

42
「DNA」(2017年)


パーティやバカンスにうってつけの定番EDMトラック「DNA」。鮮やかなダブステップが添えられたこの曲を聴くと、すべての出会いが永遠に続くかのように思えてしまう。だが、そこまでの道のりが実に巧みだ。本物の口笛の美しい音色で聴く人を魅了したかと思うや否や、パーカッシヴなアコースティックギターが響いてボーカルのオンパレードとなる。その後、RMとSUGAが終わりのない恋愛ゲームを盛り上げる一方、スポットライトを浴びたJIMIN、V、JUNG KOOK、JINが完璧なハーモニーを奏でるパワフルなフレーズにのせて、甘いフレーズと素早いヴァースを交わし合う。—C.A.

41
「Mikrokosmos」(2019年)


私たちをいつでも学びの場に連れ戻してくれることに関して、BTSの右に出る者はいない。「Mikrokosmos」では、ギリシャ哲学がテーマになっている。きらびやかなこの曲は、「ミクロコスモス(小宇宙)」というコンセプト——人間は宇宙の一部であると同時に、自らも宇宙の一部を持っているというコンセプト——にもとづいている。これだけでも美しいメタファーだが、無数のペンライトの光に満たされたスタジアムで7人がこの曲を披露した時の美しさは圧巻だ。“ひとりのなかにひとつの歴史がある/ひとりのなかにひとつの星がある/70億の光に輝く、70億の世界”。—N.M.

Translated by Shoko Natori

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