85
「Filter」(2020年)


グルーヴ満載のラテンビートと挑発的な歌詞、そこにお馴染みの完璧なコレオグラフィーが重なることで、JIMINのソロ曲「Filter」はアーティストとしての彼の才能を余すところなく見せつける。トレードマークのハスキーボイスによって繰り出されるこの曲では、アーティストとしての二面性と、いとも簡単に相手を虜にする才能を謳歌するJIMINの姿を目の当たりにすることができる。官能的であると同時にリスナーを惹きつける「Filter」は、評価の高いJIMINのショーマンシップを知るための完全無欠のイントロダクションだ。—D.D.

84
「Let Me Know」(2014年)


BTSのラップラインとビッグ・ヒット・エンターテインメント(元HYBE)のベテランプロデューサー・Pdogg(ピドッグ)の共作「Let Me Know」は、BTSのディスコグラフィー屈指の感動作だ。このR&BバラードでBTSは、人間関係の必然的な終わりを嘆く。“恋は桜のように花開くけど、燃えて灰になる”とSUGAが歌うように、前に進むことが賢明だとわかっている一方、思い出を手放せずにいるのだ。この曲には、ひとりひとりが輝く瞬間がある——ラッパーたちが否定と怒り、そしてその先にある許容といった悲しみのさまざまな段階を表現する一方、ボーカリストたちは空高く舞い上がるファルセットやアドリブとともにキャリア屈指のパワフルなパフォーマンスを披露する。—R.C.

83
「MAMA」(2016年)


『WINGS』(2016年)に収録されているエモーショナルなJ-HOPEのソロ曲「MAMA」。この曲でJ-HOPEは、自らの人生についてオープンに歌っている。ゴスペルとヒップホップにインスパイアされた「MAMA」は、BTSの楽曲としては異色で、歌詞には夢を追うJ-HOPEのために彼の母親が払った犠牲へのオマージュが込められている。2017年のWINGS TOURでは、毎回圧巻のステージ演出とともに披露された。BTSのメンバー、バックダンサー、10数名のゴスペルシンガーたちがJ-HOPEと大合唱を繰り広げたのだ。—R.C.

82
「N.O」(2013年)


鮮烈なデビューから時を待たずに、BTSは韓国社会に対する批判をさらに強めた「N.O」を世に放った。怒りの矛先は、若者を「勉強マシン」に変えた大人たちに向けられた。このメッセージをより強力にバックアップするかのように、MVではマトリックス風の近未来ディストピアを舞台に、机に縛りつけられて厳重に見張られるメンバーの姿が映し出される。“誰かの夢に囚われたまま、自分の人生を歩もうとしてはいけない”と、彼らはコーラスで歌う。—N.M.

81
「Make It Right (Feat. Lauv)」(2019年)


バラードともハードなキラーチューンとも一線を画す「Make It Right」は、BTS屈指の感傷を秘めたトラックだ。ソウルメイトのエド・シーランやシンガーソングライターのフレッド・アゲインの面々による共作「Make It Right」のリミックスバージョンの最初のヴァース、プレ・コーラス、コーラスでゲストシンガーのラウヴは、「I like Me Better」(カッコよくありたい大学生を描いたラウヴの2017年の楽曲)の雰囲気を見事に再現している。とりわけリスナーの耳をとらえるのは、羽のように軽やかでスモーキーなミッドテンポのグルーヴだ。流れるようなファルセットに重なるジャジーな管楽器のループとスネアのサウンドに導かれて、不思議とアグレッシヴでありながらも魅惑的な曲に仕上がっている。—C.A.

Translated by Shoko Natori

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